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第6話 後継者の要件

(1)特例承継計画に示される後継者の要件


 後継者の要件につき、まずは相続の場合と贈与の場合に分けてそれぞれの要件を示します。

【相続の場合の要件】
1.特例代表者であった被相続人の死亡の直前に役員であったことが必要です。
ただし被相続人(現経営者)が60歳未満であった場合は、この限りではありません。                                ※役員とは会社法上の役員は取締役、会計参与、監査役。それ以外に施行規則で執行役、理事、監事等を含めます。(会社法329条)

2.相続開始の翌日から5カ月以内に代表権を有することが必要です。

3.相続開始時に後継者及び後継者と特別な関係のある者(同族関係者)と合わせて、発行済株式総数の過半数を保有していることが求められます。
この対象となる者は特例承継計画に記載された特例後継者3人までに限ります。

※この場合後継者が1人の場合と後継者が2人または3人の場合とでは条件が異なります。これについては2(1)に示します。
※後継者と特別な関係のある者(同族関係者)とは

①代表者の親族
②代表者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
③代表者の使用人
④代表者から受ける金銭その他の資産により生計を維持している者(③を除く)
⑤②~④に掲げる者の生計一親族
⑥以下の会社
 イ.代表者が議決権50%超を有する会社
 ロ.代表者及びイに掲げる会社が議決権50%超を有する会社
 ハ.代表者及びイ、ロに掲げる会社が議決権50%超を有する会社

4.被相続人の相続開始から認定申請日まで、引き続き相続又は遺贈により取得した株式すべてを保有していることが必要です。

【贈与の場合の要件】
1.贈与の時点で会社の代表者であることが必要となります(複数代表であっても良い)。

2.贈与の時点で後継者が20歳以上であり、かつ役員就任後3年を経過していることが必要です。

3.贈与時に同族関係者と合わせて発行済議決権付株式総数の過半数を保有することとなること。

4.贈与の時から認定申請日までに、引き続き贈与により取得した承継会社の株式のすべてを保有していること。

5.先代経営者以外からの贈与も対象になりました。
親族外を含む複数の株主から特例承継者(最大3人)への承継も対象になります。
※特例承継者が1人の場合と2人または3人の場合とで条件が異なりますが、詳細は2(1)で示します。

(2)特例承継計画における後継者の留意点


1.前述した通り、後継者は特例承継計画において後継者になる予定者として記載されている者最大3人に限定されます。その上で次の点に留意する必要があります。
①後継者が1人の場合
 後継者と特別な関係がある者(同族関係者)の中で、最も多くの議決権数を保有することが必要である。
②後継者が2人または3人の場合
 総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ後継者と特別な関係のある者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること。
なお上記条件を満たす場合は親族外の後継者であっても適用されます。

2.複数株主から贈与の場合の留意点
制度改正に伴い先代経営者から一括贈与されたことを条件として、経営者以外の複数の株主からの贈与・相続・遺贈についても事業承継税制の適用対象となりました。
ただし、後継者が代表者以外の者から贈与により株式等を取得する場合、次の要件があります。

①先代代表者以外から贈与等により取得する株式等は、特例承継計画の承継期間内に贈与等に係わる申告書の提出期限が到来するものに限り対象となります。
承継期間は贈与を受けた年の翌年3月15日から5年後の3月15日までです。
※5年後の3月15日に申告期限が来る贈与というのは、その前年の12月末までの贈与である事に注意。

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